睡眠が競技パフォーマンスに及ぼす影響

みなさん、こんにちは!DOGOトレーナーの佐藤です!

あけましておめでとうございます!
いつの話。というくらい日は過ぎてしまいましたが細かいことは置いておきましょう!
本年もDOGOをよろしくお願いします(^^)

さて、2022年一発目のブログは・・・
「睡眠がパフォーマンスに及ぼす影響」についてです。

アスリートがシーズンを通して高いパフォーマンスを維持するためには、睡眠はかなり大きなポイントとなります。
トレーニングとは違って目に見える結果として表れるわけではないので、なんとなく疎かにしてしまったり重要視しないことが多いのではないでしょうか。

しかし、日々身体を酷使しトレーニングに励むアスリートにとって、外的負荷だけでなく内的負荷がいかにパフォーマンス維持に影響を及ぼすかが様々な研究によって明らかになってきています。

※外的負荷とは
距離・仕事量・仕事率などの物理的な数値で示すことができる、競技活動中に選手に課された外的刺激のこと。
※内的負荷とは
主観的運動強度、心拍数、心拍変動、血中乳酸濃度など、外的負荷に対する心身の反応として測定した負荷のこと。

目次

  • 内的負荷と傷害発生リスクの関係性
  • 睡眠の重要性
  • 睡眠の質を高めるために
  • 最後に

内的負荷と傷害発生リスクの関係性

外的負荷に関しては近年、技術の発展によりGPSデバイスを用いた移動距離、速度、スプリント回数などの測定が可能となり、実際に導入しているチームも増えてきています。
また、DOGOでも活用している測定機器「PUSH2.0」は、バーベル・ダンベル・ケトルベル・自体重トレーニングなどの毎レップのスピード・パワーを計測でき、トレーニングの目的に合わせて正確な負荷設定が可能です。

しかしこれらのデバイスは比較的高価なものが多く、トップレベルのチーム以外での導入がなかなか難しいのが現状です。
それに比べ内的負荷の測定は比較的コストが低いため、どのチームでも導入しやすくなっています。

内的負荷は傷害の発生率との影響も多数報告されています。
ラグビーリーグ選手を対象とした研究ではRPE(主観的運動強度)を用いて内的負荷と傷害発生の関係性を検討し、トレーニング及び試合における内的負荷が増加するにつれて傷害発生リスクが増加することを明らかにしました。
また、ユースエリートサッカー選手における研究では、外傷を負った選手はその一週間の平均負荷(RPE×時間)、平均練習時間が有意に高かったことが示されています。

このような研究結果から内的負荷と傷害発生リスクは相互関係が高く、その内的負荷に影響を及ぼす「睡眠」は、傷害を予防しパフォーマンスを維持するために重要であるといえます。

睡眠の重要性

皆さんは睡眠時間はどれくらい確保できていますか?
一般には7~9時間の睡眠時間が推奨されていますが、布団に入ってからすぐに眠りにつけるわけではないので余裕を持った睡眠時間の確保が必要になります。

私は普段から睡眠の記録を取っていますが、およそ20~30分くらいは実際に寝たと感じた睡眠時間より短くなっています。(7時間寝たと感じていた場合実際の睡眠時間は6時間半程度)
これは入眠するまでの時間や覚醒するまでの時間、夜間に何度かの中断時間があることなどが影響しています。

では、睡眠不足が身体にどのような影響を及ぼすのでしょうか。

  • 注意力、集中力、認知力の不足
  • モチベーションと覚醒レベルの低下
  • パフォーマンスの悪化
  • 糖代謝や神経内分泌機能の阻害
  • 免疫系の混乱
  • 心臓血管系パフォーマンスの低下

心理学的回復と生理学的回復、両方に様々な悪影響を及ぼします。
実際に競技パフォーマンスにはどのような影響を及ぼすのか。
様々な研究から「スプリントタイムの低下」「有酸素性運動のパフォーマンスの低下」「筋力トレーニングの挙上重量の低下」などが報告されています。
結果睡眠不足により、トレーニングの効果が軽減されパフォーマンスの低下に繋がることはもちろん、気分状態の悪化や傷害発生にまで繋がる可能性があるといえます。

睡眠の質を高めるために

睡眠は大きく分けて「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」の2つに分けられます。
もう少し細かく言うと、ノンレム睡眠は4段階に分けられ、レム睡眠が現れる前の進行段階になります。

睡眠サイクルの例


睡眠全体の構成はノンレム睡眠が75%、レム睡眠が25%であり、レム睡眠の頻度と持続時間が大きいほど回復プロセスが促進されより良い目覚めをもたらします。

つまり睡眠潜時を短縮し、睡眠段階のスムーズな移行を促しレム睡眠の頻度と持続時間を最大化させるための工夫が重要になります。

ということで、具体的な対策をお伝えします!
室温や環境、日中や就寝前の行動など、自分の普段の習慣と重ね合わせて考えてみてください!

  • 明かりのない暗い室内環境を確保する
  • 静かな環境
  • 室温を保つ(~18℃)
  • 寝具や寝間着による暑さを避ける
  • 睡眠習慣:就寝と起床の時間を一定に保つ
  • 最低7時間の睡眠をとる
  • 午後遅い時間に昼寝をしない
  • 就寝前にカフェインや食物を摂取しない
  • 就寝前にPCやスマートフォンなどを使用しない

試合前だったり遠征先となると、いつもの習慣を実行するのが難しい場合もあります。
緊張や不安から睡眠に悪影響を及ぼしてしまうケースは多々ありますが、その中でもできる対策はあるはずです。

目標設定やセルフトーク、メンタルリハーサルや視覚化療法のテクニックなど様々なプロトコルを使うのも1つの手段です。
また、物理的にアイマスクや耳栓を使用するなどして工夫してみるのもいいのではないでしょうか。

どんな状況や環境でも高い睡眠の質を保てるよう、自分なりに工夫してみてください!
これはアスリートとして、常に高いパフォーマンスを発揮するための最低限やるべきことだと思います。

最後に

主観的な方法で睡眠を管理することも大切ですが、客観的に管理できる機器などを利用することもオススメします。
私は「Polar Ignite」を利用し毎日睡眠の記録を取っています。毎日取るからこそ自分自身の小さな変化に気付くようになり、事前に対応できるようになりました。

どの競技もそうですが、試合だけ頑張ったり前日の練習だけ頑張ったり1週間だけ食事を意識したり、その程度で結果がついてくるほど甘い世界ではありません。
もし仮に結果がついてきたとしても、それはその時たまたまのものであって誰の心に響くものでもないと思います。
同じアスリートとして、感動を届ける仕事をする皆さんには当たり前のレベルで睡眠の管理も行ってほしいなと思います!

《参考文献》

※日本アスレティックトレーニング学会誌 第 7 巻 第 1 号 103-110(2021)
大学ラグビー選手の合宿期間における内的負荷データ間の関係性
著)土屋 篤生,大垣 亮
※ Geoff J.G. Marshall, Anthony N. Turner : The Importance of Sleep for Athletic Performance. Strength and Conditioning Journa,38(1) : 61-67
※ Gabbett TJ. : Influence of training and match intensity on injuries in rugby league. J Sports Sci, 22(5) : 409-417, 2004.
※ Brink MS, Visscher C, Arends S, Zwerver J, Post WJ, Lemmink KA. : Monitoring stress and recovery : New insights for the prevention of injuries and illnesses in elite youth soccer players. Br J Sports Med, 44(11) : 809-815, 2010.

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愛媛県松山市の道後で、スポーツや日常生活のパフォーマンスを向上させたい方や健康維持・増進を目指す方に対して、パーソナルトレーニングの指導を行っているジムです。

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